研究レベル-海外ラボの研究レベルはどれくらい?

皆さんは留学先の研究レベルってどのくらいをイメージしていますか?

海外留学と聞くと、「世界トップの大学には驚くほど優秀な人が集まり、最先端の研究が行われている」と思うかもしれません。
しかし、実際には少し違います。

結論から言うと、アメリカでPI(Principal Investigator)として独立している研究者は、非常に優秀な人が多いです。
アメリカでは、日本のように年功序列やポジションの保護が強くありません。そのため、研究者としての能力が低いと研究費(グラント)を獲得できず、成果を出せないまま自然と淘汰される仕組みになっています。したがって、PIとして残っている人は厳しい競争を勝ち抜いた人ばかりです。

ポスドクの研究レベル

一方で、ポスドクの研究レベルは非常に幅があります
実際のところ、本当に優秀な人材の多くはアカデミアには進みません。彼らはより収入や安定性の高い職種──たとえばコンサルティング、ファイナンス、製薬企業など──に進む傾向があります。
たとえば、アメリカのトップ大学でPhDを取得しても、アカデミアに残るのは全体の20-40%程度に過ぎません(分野にもよります)。
つまり、アカデミア研究の世界に残る人は主に2パターンです。「経済的な待遇が悪くても研究を続けたい人」か「他のキャリアを選べなかった人」。

わかりやすく日本の医師のレベルで例えてみましょう。医師の平均を50としたとき、ポスドクの多くは20〜40程度、稀に60クラスの人がいるという感覚です。もちろん、ラボによって差は大きいです。トップラボには例外的に優秀なポスドクが集まりやすくなっています。が、医師としての基礎力があれば、ほとんどの研究現場に十分対応できるでしょう。

医師は海外ラボでどのようにするべき?

むしろ大切なのは、医師として培った柔軟な対応力と論理的思考力です。
医局人事でいきなり新しい病院に飛ばされた経験はありますよね?それでもすぐに普段通りの力を発揮してきましたよね?病棟管理で、コメディカルによっては相反する指示が要求されると思います。その場合でも場を乱さないように対応してきた経験を思い出してください。その対応力があれば、海外での研究環境がいかにであっても十分に対応可能です。そして医師になれる頭があるのであれば、最初は基礎研究の知識が少なくてもokです。真摯に実験・研究に取り組むうちに、自然と周囲を追い抜いていけるはずです。

そしてもう一つ大事なのは、「ボスの指示にはまず従うこと」です。これは得意ですよね?アメリカでは自分の意見を言うことが大事だと思っているかもしれません。しかし、当たり前ですが、必ずしもそうではありません。医師の世界でもそうですが、上司の期待を上回る結果を出せるようになるまでは、まずは素直に従う姿勢が重要と私は考えています。ボスに反論できるのは、ボスの期待を超える成果を出せるようになってからです。

ここまで読むと「自分にもできそうだ」と感じる人も多いかもしれませんが、
「アカデミアの待遇は非常に厳しい」という現実だけは忘れないでください。
それでも覚悟をもって挑戦できるなら、正しい指導を受け、正しい努力を続けてください。医師なら誰でも研究で十分な成果を出すことは可能です。

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