留学のタイミング-医師にとってベストはいつ?
皆さんはいつがベストな留学のタイミングだと思いますか?
私は大学院を修了後に留学したいと考えていました。PhD取得が見えてきた段階で、留学について具体的に考え始めました。
注意すべき点は、PhD取得後の年数で応募できるフェローシップが制限される点です。
この「PhD取得後◯年以内」という条件は、日本の助成金だけではありません。海外のフェローシップにも同様の基準が共通して設定されています。研究者としてのキャリア初期では、この年数制限が特に重要になります。
もちろん、博士号取得後に基幹病院などで臨床に戻るケースも多いと思います。
その場合でも、35〜40歳が1つの目安(ライン)になるでしょう。
この年齢を越えるとフェローシップ応募やポスドク採用のハードルが高くなります。
そのため、最も避けるべきパターンは、「博士号を取得したけれど、なんとなく時間だけが過ぎてしまった」というケースです。
その間に多くのチャンスを逃してしまうことになります。もし本気で留学を考えているなら、早い段階から計画的に動くことをおすすめします。
どうしても留学のタイミングが合わない場合は、PhDの取得時期を意図的に調整するという選択も考えられます。
留学先探しの時期について
一般的に、留学先のラボを探し始めるのは、実際の渡航(留学のタイミング)の1年〜1年半前が目安です。
これは多くのフェローシップの募集が「翌年度スタート」を想定しているためです。留学直前にラボを決めてしまうと、応募できる機会が限られてしまいます。
したがって、論文を投稿した段階で探し始めるのが理想的です。
私は博士課程で複数のテーマに取り組んでいました。そのため、1本目の論文が出た時点で留学先の情報収集を始めました。結果として、2本目の論文が掲載される前に留学を開始することになりました。振り返ってみると、それは非常に良いタイミングだったと感じています。
留学先決定の難易度とサポートについて
留学先を決める難易度は、研究業績・研究経験・フェローシップの有無によって大きく左右されます。
もし、研究業績がほとんどない状態でも「研究留学に挑戦したい」という方がいれば、そのような方からのご相談も歓迎しています。
実際に面談を行い、バックグラウンドを拝見したうえで、
「1年以内は難しいが、2〜3年後なら十分チャンスがある」と判断できる場合には、しっかりと支援させていただきます。
一方で、数年以内の留学が現実的に難しいと判断した場合には、支援をお断りすることもあります。
ただしその場合でも、今後の大まかな目標設定(業績づくり・準備の方向性)を一緒に整理し、それを達成できた段階で再度面談を行い、サポート可能かどうかを改めて検討します。

