家族はどうなる?-海外生活で気をつけておくこと
医師が研究留学をする場合、多くの方が家族(配偶者)が一緒だと思います。中には子どもがいるケースも少なくありません。
「自分は何とかなると思うけど、家族はどうなるんだろう?」と不安に感じる人も多いのではないでしょうか。
「全く問題ありません!」と言いたいところです。が、実際のところ、何かしらのトラブルはほとんどの家庭で起こります。
例えば、「食事が合わない」「現地の対応が大雑把すぎる」といった日常的なことから、家族間の衝突に発展するケースもあります。
配偶者(特に医師でない方)が精神的に落ち込んでしまう話も時々聞きます。留学してくる日本人は総じて優秀で真面目な方が多いです。そのため周囲と自分を比べてしまい、気持ちが沈みやすい傾向があるのかもしれません。
研究者本人は留学先で新しい環境に飛び込み、忙しく充実した毎日を送ります。一方で、配偶者の方は日中ひとりで過ごす時間が多くなります。日本と比べると外出や交流の機会が限られ、娯楽も少ないです。生活に張りを失いやすいという現実もあります。半年、1年とそのような生活が続けば、気分が沈んでしまうのも当然です。
家族へのメンタルケア
根本的な解決は簡単ではありませんが、できることもあります。
たとえば、現地の日本人ファミリーと積極的に交流したり、英会話教室やボランティアなどに参加してもらうのはとても効果的です。そうした意味でも、日本人コミュニティをうまく活用することが大切です。状況によっては、家族だけ一時的に日本へ帰国してもらうという選択肢も、現実的な対応策になり得ます。
ここでは詳細には触れませんが、配偶者のメンタルケアについては、あらかじめリスクを理解し、具体的な対策を考えておくことが大切です。留学を決める際には、「家族全員がどうすれば心地よく過ごせるか」を念頭に置いて準備を進めましょう。
