画像診断の力をつけよう — 医師としての大きな武器に

臨床に携わる医師にとって、避けて通れないのが画像診断です。もちろん放射線科の先生がいますが、自分でオーダーした画像は、自分で読めるようになるべきです。腹部でも胸部でも頭部でも。医学生のうちはピンとこないかもしれませんが、何らかの疾患を疑って画像検査をオーダーしたものの、「これ、合ってるのかな…」と不安になる瞬間はとてもストレスです。放射線科に相談することはもちろん大切ですが、すぐに聞けるとは限らないし、すぐに返答がもらえる保証もありません。そのため、画像の判断が自分でできないと、次のアクションが遅れてしまいます。臨床のスピード感が鈍るのです。

研修医時代の経験私が初期研修をしていた病院では、救急外来で撮影したCTやMRIの画像は、ほぼすべて研修医が放射線科に走って、直接所見を聞きに行くというシステムでした。しかし私は、毎回人に聞くのが面倒くさくて（笑）、**「だったら自分で読めるようになろう」**と決心し、画像診断の特訓を始めました。具体的には以下の2つを継続しました。1️⃣ 画像診断の教科書をとにかく読む2️⃣ 救急外来で撮影された画像を、毎日欠かさず見るわからないことがあれば、仲の良い放射線科の先生、またはその疾患の専門科の先生に直接聞きに行く。これを研修医1年目の後半から、初期研修が終わるまで続けました。その結果、私は内科系に進みましたが、画像診断だけは放射線科の後期研修医レベルには近づけたように感じます。

画像診断は“コスパ最強”のスキル日本は「画像検査をやりたい放題」と言われるほど、画像診断が日常診療の中心にある国です。そんな環境で医師として働くなら、身体診察を磨くよりも画像診断のスキルを磨く方が、圧倒的に実用的でお得です。特に救急現場では、腹部画像の読影力が生死を分けることもあります。

研修医時代に読んだおすすめの書籍最後に、私が初期・後期研修医の時期に愛読した画像診断の本を紹介します。どれも非常に実践的で役立ちました。

胸部CT診断90ステップ腹部CT診断120ステップ肝胆膵の画像診断 改訂第2版ここまでわかる急性腹症のCT 第3版救急・当直で必ず役立つ! 骨折の画像診断 改訂版　（全身の骨折分類と症例で読影ポイントが理解できます）レジデントのためのやさしイイ胸部画像教室 第2版すぐ役立つ救急のCT・MRI 改訂第2版（画像診断別冊 KEY BOOKシリーズ）

画像診断は、どの診療科に進んでも必ず役立ちます。特に腹部CTを自分の得意分野にできれば、臨床現場での信頼感はぐっと高まります。

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